▼岩木山神社-玉垣狛犬・安寿姫▼ - 2013.12.18 Wed





朱色の楼門を上がってすぐの玉垣の柱の裏側に、
こっそりと左右それぞれにしがみついています。
狛犬や獅子というかんじよりモノノケのような雰囲気です。
この狛犬は岩木山神社にある狛犬の中で最も古く、
貞享3年(1687)から元禄7年(1694)の大造営の際に造られたそうですが、
ほかに詳しいことはよくわかっていません。
噂では、
下を向いている狛犬といっしょに写真を撮ると恋愛運が、
上を向いている狛犬と写真を撮ると金運が良くなるといわれているそうです。









右手にある境内社は白雲大龍神社と稲荷神社で、
稲荷神社の御祭神は宇賀能賣神荒魂。
白雲大龍神社の御祭神は多都比姫神荒魂となっています。
白雲大龍神社のすぐ脇にある池には、
龍神様へのお供えである卵が多く投げ込まれています。
また左手の登山道は、
岩木山の山頂にある奥宮へと続く百沢登山道です。
山頂までは約四時間ほどの行程になるそうです。









これは説経節『山椒大夫』の安寿姫がこの山の神になったという伝承があり、
磐城判官の正氏の子らである安寿姫と厨子王丸は旅の途中、
丹後国の人であった山椒大夫・山岡太夫の陰謀によって奴隷にされ、
のちに安寿姫がその山椒大夫の三男に殺されたことから、
丹後国の人がこの地に入ると、
激しい風雨が続く悪天候となり船の出入りができなくなるとして、
旅人は厳しい吟味が行なわれ、丹後国の人は入国できず国外へ出されたそうです。
正確には岩木山神社では安寿姫は御祭神となっていませんが、
創始にに出てくる伝説で、御祭神である多都比姫神(たつひひめのかみ)が、
大己貴命と同一神といわれる顕國魂神に田光沼(たつひぬま)から珠を取って献上した龍女の、
国安珠姫命(くにやすたまのひめのかみ)と同一神であるとさてれいて、
この国安珠姫命の「安珠姫」の読みから安寿姫と同一視しこの伝承が生まれたと考えられます。





岩木山神社の一の鳥居からすぐのところにある末社は出雲神社で、
この神社の狛犬は何故か「大黒様と恵比寿様」になっています、
由来についてはくわしくわかりませんが、
大黒様が出雲神社の御祭神である大国主命と同一視されているからでしょうか?
このように古代から信仰の山である岩木山には様々な伝承があり、
まだ紹介しきれていない伝承もたくさんあります。
津軽富士とも呼ばれる美しい岩木山の麓にある岩木山神社では、
参道から社殿の背後を見上げると、そこには岩木山が偉容を誇り、
また日本の北門鎮護の名社として色々の宗派を越え、
深い信仰の源として厚く崇敬されています。

【弘前市方面から見た岩木山】
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▼岩木山神社-本殿▼ - 2013.12.12 Thu






津軽地方の人々にとって古くから「岩木山(1625m)」は大切にされてきた山で、
この岩木山神社も「お岩木さま」 「お山」 と呼ばれ親しまれてきました。
岩木山は不思議な伝承や物語が多くあり、
正史にない歴史を綴った『東日流外三郡誌』とも深く関連しています。
また岩木山神社は艦内神社として、
大日本帝国の戦艦・陸奥の艦内に分祀された神社としても有名です。





顕國魂神(うつしくにたまのかみ)・多都比姫神(たつひひめのかみ)
宇賀能賣神(うがのめのかみ)・大山祇神(おおやまづみのかみ)
坂上刈田麿命(さかのうえのかりたまろのみこと)
この五柱を総称して岩木山大神と唱えお祀りしています。
創始は今から約1200年前の宝亀11年(780)に社殿を岩木山山頂に創建したのが始まりで、
延暦19年(800)には岩木山大神の加護によって東北平定を為し得たとして、
征夷大将軍・坂上田村麿これを再建し、
別に山麓十腰内の里に下居宮(おりいのみや・麓宮)を建立して山頂を奥宮と称し、
寛治5年(1091)神宣により下居宮を現在地に鎮座しました。









明治の神仏分離以前には真言宗・百沢寺岩木山三所大権現と称し、
岩木山の山頂に阿弥陀・薬師・観音の3つの堂がありました。
岩木山神社は山岳信仰に始まる古社であり、
現在の拝殿も元来は別当寺・百沢寺の本堂として建てられたものです。
参道に見える壮大な朱色の楼門もその頃のもので、
百沢寺の山門として建てられ、
上層に十一面観音、五百羅漢像を安置していましたが、
廃寺に際して取り除かれ、現在は階下に随神像を祀っています。





津軽富士ともいわれる岩木山は古くから信仰のための山で、
「お山参詣」「ヤマカゲ」といわれる岩木山山頂へ集団登拝する行事があり、
そのお山参詣は重要無形民俗文化財となっています。
一説によると鎌倉時代の初期頃より始まったとされ、
お山参詣は、向山、宵山、朔日山と3日間行われます。
宵山では白装束に身を包んだ参拝者たちは黄金色の御幣や色あざやかな幟(のぼり)を掲げ練り歩き、
登山囃子が響く中「懺悔懺悔(サイギ、サイギ)」の掛け声を響かせ、岩木山神社を目指し、
最終日の朔日山では山頂を目指し登り、山頂付近でご来光に向かって手を合わせます。
岩木山神社に無事登拝の報告をした後は、
楼門から登拝を無事すませたという喜びと、
お山がそれぞれの願い事を聞き入れ神通力が宿ったということを表現した、
バダラ踊りをして帰途につきます。




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