▼伊勢神宮・荒祭宮と神鶏▼ - 2020.08.06 Thu


荒祭宮は御稲御倉・外幣殿を過ぎ、
正宮の北方にある石段を下りますと、
正面のやや小高い丘に鎮座しています。


社殿の規模も正宮に次ぐ大きさとなっています。
創建当初は神垣・忌火殿・御倉等も揃っていたそうですが、
室町時代には困窮し、いつしかそれらは失われました。
その後、現在の完全な形になったのは1909年(明治42年)のことです。
荒祭宮の前の石段中程には杉の木が聳えていますが、
これは石段が江戸時代に作られる前からあったもので、
1909年(明治42年)に位置を若干かえますが、
この時に「杉をそのまま残す」という決定がされたそうです。


御祭神は天照大神の荒魂(荒御玉)で、
内宮正宮参拝後に参拝するのが正しいとされています。
荒祭宮では他の別宮に先駆けて皇大神宮に準じた祭事が行われ、
神饌の種類や数量も正宮の祭事とほぼ同等で、
祈年祭、月次祭、神嘗祭、新嘗祭の諸祭には皇室からの幣帛(へいはく)があり、
皇室の勅使は正宮に続き、内宮別宮のうち荒祭宮のみに参行されます。

荒祭宮から表参道へと戻ります。


日本神話の天岩戸伝説において、
天岩戸の前で暁をつげる長鳴鳥を鳴かせ祝詞を唱え、
後に天宇受賣命が踊り、手力男神により天照大御神の手を取って外に引き出し、
世界は再び明るくなったという伝説から、
長鳴鳥考えられる鶏が伊勢神宮の境内にはたくさん放し飼いにされています。

また式年遷宮においては、
内宮遷御の儀―として神域の明りはすべてかき消された淨闇の中、
「カケコー、カケコー、カケコー」と、
天岩戸開きの故事にならう、所役による“鶏鳴三声(けいめいさんせい)”が神宮の森に響き渡り、
遷御の儀の中でも最も重要な儀式が始まります。

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● COMMENT ●
長鳴鳥
Re: 長鳴鳥
ぬくぬく先生さん
吹奏楽の楽曲で日本神話をテーマにしてものがあるのですね(꒪˙꒳˙꒪ )♪
細かく場面が音楽で表現されているようでとても興味深いです。
神社で飼われている動物にはぞれぞれに由来する伝説があり、
それがいまも続いているというのはとても素敵なことですよね(o´ω`o)
吹奏楽の楽曲で日本神話をテーマにしてものがあるのですね(꒪˙꒳˙꒪ )♪
細かく場面が音楽で表現されているようでとても興味深いです。
神社で飼われている動物にはぞれぞれに由来する伝説があり、
それがいまも続いているというのはとても素敵なことですよね(o´ω`o)
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吹奏楽のための神話~天岩戸物語によるという曲中でも踊りの場面や
手力男神により天照大御神の手を取って外に引き出すシーンが巧みに描写されていますけど、
その中に長鳴鳥の鳴き声らしきものもあったりします。
そうした神話でもお馴染みの長鳴鳥が現在でも伊勢神宮の境内に放し飼いされているとは
なんだか神話と現実がすてきにクロスしているようにも感じられそうです。